結婚をめぐる友情の問題
アラサーになってから、結婚をめぐる友情の問題について考えることが何度かありました。
なぜなら、同世代の友人の多くは私よりも先に結婚したからです。
そんな自分がいざ結婚することになって「関係性が深い未婚の友人ほど結婚のことを言いにくいな」という気持ちでいっぱいでした。
とはいえ、言わないというのは違うと思うし、言うとなるとなぜか気が重いような気がするし、どうしたらいいのかわかりませんでした。
ここまで読んでいただいた方はお察しの通り、どちらにしても相手を傷つけるのではないかという気がしたからだと思います。
関係の薄い相手なら結婚したことなんて軽く言えると思いますし、相手もあまりどうとも思わないと思うのですが、友人に対しては「言えないな」と言う気持ちがあって。
逆に、私がそういうふうに思ってること自体がマウンティングに感じる人もいるだろうし、実際私はひねくれているので、相手の立場だったらそう思うかもしれません。
なるべく気にしていないようにさらりと言いたいと思いながら「それもまたそれで嫌味に聞こえるのかもな」などと悩みました。
自分が未婚だった時、友人に結婚を報告された時の気持ちを思い出しました。
おめでとうと言いながらも大体いつも複雑な気持ちや焦りが押し寄せてきたので、そういう気持ちになるのはもう嫌だなと思ったものでした。
繰り返しになりますが私はひねくれているので素直に喜べない部分があったのかもしれないし、万人が私と同じように思うかどうかはわかりません。
でも、大事な友人であればあるほど、自分のせいでそういう嫌な気持ちになってほしくないと思うわけです。
こんな私個人のライフイベントによって相手にプレッシャーをかけるようなことはしたくないし、客観的におめでたいことであってもその人が不快になるようなことは言いたくないですしね。
だからって言わずに済ませるかというと、それはそれで自分に過剰に気を遣われているような感じがして嫌なので、やっぱり言うしかないのではないかと。
でも私は私でやっぱり寂しかったんです。
これまで未婚だった時、既婚になった友人とは少し疎遠になってしまった。
世の中の同世代の人の中には、未婚既婚関係なく仲良くできている人もいるかもしれないけど、私の場合はそうでした。
この理由は多分、ひとつは単純に結婚したら色々と新生活で忙しく、これまでのように遊べなくなったということもあるし、もうひとつは向こうから私のことを誘いにくくなったということ、そしてもう一つは私も誘いにくくなった(新婚さんだから悪いかなとか)ということ。
ある意味仕方がないのはわかる。
私も未婚で仲良くしてもらっている友人とはどうしても疎遠になってしまうだろうなと思うと、仕方がないかもしれないけど、とても寂しかった。
実際、アラサーになると婚活や出会い探しをしている友人も多く、私もそうでした。
友人の結婚に対しては本当によかったねとは思うけど、一方で相手すらいない自分が情けなく、惨めな気持ちになったことがあります。
だから友人にはどういう風に話していいのかわからないんです。普通に「結婚したんだ」って言うしかないですけどね。
私は結婚して数ヶ月がたちましたが、友人への報告は上に書いた理由で迷いながらも、先延ばしにしてしまいながらも、今、ほとんど全員に報告できたという状況です。
実際に報告して、みんなが驚くほど「良かったね」と言ってくれるので、私は申し訳ないやら、嬉しいやら、自分が器の小さい人間だと思うやら、でもやっぱり嬉しいやら、なんとも言えない温かい気持ちになりました。
もちろん、友人だって腹の底ではどう思っているかはわかりませんが、それでもそういう風に言ってくれることに感謝しかなかったです。
特に仲のいい友人には最後まで言い出せませんでした。なぜならその子が婚活で苦労していたことをよく知っていたからです。
「あーあ、私も結構頑張ってたと思うんやけどなー」と友達が言ってくれたので、ホッとしました。
それに、これからも良かったら遊んでほしいとも言ってくれたし、実際にこれまで通り普通に遊びに誘ってきてくれたりもしています。
今まで自分が友人たちに向けて、割とそっけない祝福をしたのではないかということが心底申し訳なく、またふてくされた態度だったと思い知らされました。
正直に自分の気持ちを言ってくれながらも、相手の幸せを素直に喜べる友達のような人間になりたいものです。
でも一方で、そういう気持ちを持っている優しい人だとしても、時と場合によってはそうなれないケースも多々あることを理解しておいたほうがいいなとも思った。
もし今後そういった場面に出逢って同性の友人と離れることがあったとしても、今は仕方がないと思って受け入れたり、いつかまた仲良くできる時が来るのではないかと思うことにしたい。
自分が既婚者にならなければ「結婚した側の気持ち」が推測できなかった過去の未熟な自分も相変わらず子供だなあとは思うけど、こうやって1つまた新しいことに気付けただけ、ちょっとは成長できたのかなと思っています。